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『デジタル社会構築の鍵はマイナンバーカード』 内閣官房職員にお話をうかがいました。

マイナンバー制度のことを正しく知って、暮らしやすいデジタル社会へ

国のデジタル化に向けた動きについて、どれくらい知っていますか

 新型コロナウイルス感染拡大のさまざまな影響を受ける中、あらためて日本のデジタル化について考えた人も多かったのではないでしょうか。 昨年の新内閣の発足に伴いデジタル庁の設置が発表され、現在、令和3年9月の設置を目指して準備中です。マイナンバーの企画立案の所管は、現在の総務省や内閣府からデジタル庁に移る予定です。

 現在、内閣官房(内閣府)に勤務する清水春菜さんは、関係各府省庁との調整やマイナポータルの運営などに携わっています。気になるデジタル化に向けた国の動き、またマインナンバーカードの利便性や安全性について詳しくお話をうかがいました。

内閣官房 番号制度推進室
(内閣府 大臣官房番号制度担当室)
清水 春菜さん

デジタル化で「誰一人取り残さない」を実現するために

新たに設置されるデジタル庁は、どのような役割を持つのでしょうか

 これまでは各省庁・各自治体が、それぞれに持つシステムをそれぞれで運用していました。デジタル庁の設置後においては、生活に密接に関連している国民の期待が高い分野において、デジタル庁と各府省が共同で整備を行います。 そのうえで、国民目線に立ったデザイン思考とセキュリティー・バイ・デザイン、すなわち使い勝手の良さと安全性の高さの両立を前提として、国民がデジタルを安心して利用できるよう目指していきます。 詳細については、令和2年12月25日に閣議決定した「デジタル・ガバメント(電子政府)実行計画」において方針が示されており、その中の自治体が取り組むべき具体的な内容が「自治体DX計画」として策定されています。

具体的に何がどのように推進されるのでしょうか

 マイナンバーカードの普及促進をはじめ、行政手続のオンライン化や、国が全ての自治体で使用するシステムの標準化を進めていくといった内容が盛り込まれています。

 例えば、国が用意した子育てなどに関する申請や届出がオンラインでできる「ぴったりサービス」(マイナポータル内)に自治体が対応するためには、これまで各自治体で接続費用が必要でした。しかし、そこに予算を割くことが難しかった小さな自治体でも、今後は国が無料で接続できる仕組みを整え、自治体は費用をかけずに住民に便利なサービスを提供することができるようになります。
 平井大臣がおっしゃる「誰一人取り残さない」を実現していく大事な一歩であると思います。

 また民間事業者や個人でも活用してもらい、国民の皆さんが使いやすいシステムが生まれるような施策も行っております。マイナポータルAPI(Application Programming Interface)を提供しており、例えばAPIを使うことで、自治体の障害者手帳情報や子どもの予防接種記録を表示できるスマホアプリ等がリリースされています。

・ミライロについて
・APIの利用例

マイナンバーカードのことを正しく知れば、安心して使えます

マイナンバーカードの普及率が急激に伸びています

 昨年の特別定額給付金支給での利用やその後もコロナ禍が続く中で、普及率が急激に伸びています。
 オンラインで確実に本人確認が行えるマイナンバーカードは、行政のデジタル化の鍵となることから、さらに普及に向けて注力していきます。

安全性については、まだ心配な声が聞かれますが

 マイナンバーカードとは、顔写真とICチップに搭載された電子証明書により、対面及び電子での本人確認が可能な身分証明書です。

 まずマイナンバーは、法令により税、社会保障及び災害対策の分野以外では使えません。またマイナンバーの使用時には、カードの顔写真とご本人の対面照合もしくは電子上で暗証番号を入力することによる本人確認が必ず必要なので、マイナンバーを知っただけで悪用することはできません。

 そして電子証明書が搭載されたICチップには、税や年金などのプライバシー性の高い個人情報は記録されていません。また不正に情報を抜き出そうとするとICチップが壊れる仕組みになっています。
 電子証明書の暗証番号は一定回数間違えるとロックされます。ロックの解除には必ず市区町村窓口での本人確認が必要です。
 また万一カードを紛失した場合は、24時間365日対応のコールセンターに連絡すれば、即時に機能を一時停止できます。

・マイナンバー制度とは
・マイナンバーとマイナンバーカードの違い

 マイナンバーカードには不正使用に対する何重にも備えられた仕組みがあります。実は、マイナンバーカードを持ち歩くことは、キャッシュカードや運転免許証を持ち歩くこととそんなに変わらないもので、同様に扱っていただければと思います。

・マイナンバーカードは安全

この1枚でできること、便利になることがたくさん!

マイナンバーカードが使える機会が増えるようですね

 すでにいくつかの自治体では、コンビニで住民票を受け取ったり、図書館カードとして使用できるようになっていますが、今後はもっと普段の暮らしの中で「便利だな」と実感していただけるようになると思います。

 まず令和3年から「健康保険証」として使用できるようになります。利用できる医療機関や薬局は、順次拡大する予定です。

 ここでぜひお伝えしたいのが、特定健診情報や薬剤情報、医療費情報がいつでもスマホなどで閲覧できるようになることです。そして本人の同意があれば、これらの正確な情報を医師や薬剤師に開示し、より適切な医療に役立てることができます。さらに令和4年夏には手術、移植、透析などの医療情報や受診医療機関名も加わる予定です。災害時などには、これらの機能が大きな役割を果たすことになると思います。

 大切なのは、情報の開示はあくまでも本人の判断にゆだねられていることです。日本では個人情報の扱いは、本人の意思を尊重するように配慮されています。健康保険証として使用するだけで、誰にでも情報が見られてしまうというわけではありません。

 今後は各種免許・国家資格証、在留カードなどとして、さらに令和6年末には「運転免許証」としてもマイナンバーカードが使えるようになる予定です。

他にもこんなことが!

 マイナンバーカードとスマホやパソコンがあれば、マイナポータルで行政手続を「ワンストップ」で行うことができ、「役所に行かない」ですむようになります。最も身近なところでは子育てや介護などの手続です。情報の連携が行われ、さまざまな添付書類を用意しなくてもオンラインで一度に手続ができるようになります。

 例えば、引越しに際して行う様々な手続の負担を軽減すべく、民間事業者が提供する「引越しポータルサイト」を利用することで、利用者に合わせた引っ越しに必要な手続が出来るよう、「引越しワンストップサービス」開始に向け準備しています。
 行政手続においては、マイナポータルで転出手続を行うことで、転入先の自治体に行政に関わる情報が引き継がれ、人によって異なる転入先での手続がよりスムーズになります。また、民間手続については、「引越しポータルサイト」から電力会社やガス会社などに、引越しに関する情報がオンラインで提供され、一括で手続が出来るようになります。

・引っ越しワンストップサービスの概要

 また、すでに運用されているサービスもあります。令和2年1月からスタートした「法人設立ワンストップサービス」です。令和3年2月26日からは全ての行政手続がワンストップでできるようになりました。定款認証や設立登記など法人設立に必要な手続をオンラインでまとめて申請することができます。複数の手続に共通する項目は、一度の入力でよいです。

・法人設立ワンストップサービス
https://app.e-oss.myna.go.jp/Application/ecOssTop/

スピード感のある現場の経験を活かしていきたい

実は…

 今回お話を伺った清水さん、実は兵庫県庁の職員です。令和2年4月から任期付きで、内閣官房に勤務しています。

内閣官房職員として、どのような1年でしたか

 もともとシステム関係に興味があり、マクロを組んだりRPA(Robotic Process Automation)の導入に関わったりしてきましたが、現在の職場はそのレベルとはかけ離れた、いわばシステムのプロフェッショナルの方たちばかりです。経験したことのないスピードで関係各府省庁と調整を行い、システムを改修していく様子などを目の当たりにし、あらためて多くのことを学んでいる状況です。兵庫県庁に戻った時にその経験を活かしていきたいです。

 同時に、今後行政の現場にそのようなシステム人材が必要だということを実感しています。今は主力として外部から人を迎えている状況です。県職員として、組織の中に根を下ろして取り組んでいくことができる人材の育成も急務だと考えています。

職場の雰囲気はいかがですか

 新型コロナウイルス感染症の影響が大きくなるにつれ、自治体からの問い合わせも急増し、注目度の高さを肌で感じるようになりました。職員一人一人が重責と危機感を認識して、かなりのスピード感を持って日々稼働しています。

清水さんの身近な例を交えたお話から、一人一人が正しい知識を持ち、マイナンバーカードを使わなければ、デジタル社会の恩恵を手にできないことがよく分かりました。清水さんをはじめ職員の皆さん、これからも頑張ってください!

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